14.韓国での出産。
とうとう来る日が来ました!!
それはお昼頃...浴室で洗濯物を手洗いしていたときの事です。
「あ~ しんどっ」っと腰をあげ、その洗濯物をベランダに干そうと移動したところ私の通るところは全て水で濡れていました。
「ん?」
「なんじゃこりゃ?」
しばらく私は何のことが分からないまま水がどこから出ているのか確認するため部屋中をウロウロしました。
その瞬間…
「あっっっ!!!!これが破水?!!!」
私は驚き、うろたえ頭が真っ白になりました。
っと、とりあえずオッパ、オッパ…
そうして私はオッパに電話をしました。
彼は全く電話を取りません。
そして何度か電話をするとやっと繋がりました。
私はオッパに「破水、破水したみたい。早く病院へ行かなきゃ」と言いました。
オッパの仕事は家電の修理。
その時、彼は洗濯機をちょうど直しているところでした。
「破水?破水?んん?破水?」
彼は全く私の言う意味を理解していない様子でした。
そしてしまいには「家の洗濯機が故障したの?」と言ったのです。
洗濯機の事で頭がいっぱいだったオッパは
私が言う「破水」を洗濯機の「排水」と勘違いしていました。
そんなこんなでやっと事の重大さに気づいた彼は今からだ家に着くまで1時間はかかるといいました。
赤ちゃんが危ない!
私はオッパとの電話を切り、病院へ電話をしました。
京畿道にある国際病院で出産することになっていた私は立地条件や産後の教育などを考えるならどうしてもそこで産みたかったのです。
病院側はすでに破水したなら赤ちゃんが危険だから近くの病院へ行くように言われました。
私はオッパが家まで帰るまでの1時間それに家から病院まで車で約1時間かかる事を考え、混乱しました。
そしてオッパに再度電話をしたのです。
オッパはこう言いました。
「赤ちゃんが無事でいることが大事だから...どうする?」
「もう、分からない。でもぜったいあそこで産みたい...」
「じゃあ、分かった。そうしよう。」
不思議なことに私はオッパのその言葉で決心がつき、赤ちゃんは大丈夫だという確信を持ちました。
そしてその日に限っていつも混んでいる道は全く混まず、他の車は私たちの車を避けるように通りました。
私たちは考えられない速さで病院へ着きました。
途中、病院へ連絡を入れていたので病院では待機してくれていました。
そして婦長さんが私に一言。
「こんな無謀な妊婦さんは初めて見たわ!!」
私は何の異常もないまま出産を迎えるのでした。