5. お兄さんの奥さんの存在
この「お兄さんの奥さん」は私とは全く正反対の韓国人女性でした。
彼女は後の私の人生に痛手を与える存在となります。
「お兄さんの奥さん」は外見はまるまるふくよかで、私よりも4つ年上。
愛嬌抜群で愛情表現は常にたっぷりされます。
彼女が義理の両親の前であっても関係なく夫であるお兄さんに愛嬌をふりまいているその姿は私のそれまでの人生では目にしたことがない光景でした。
私は彼女を見る度、その外見と中身の差に絶句するようになります。
ある日、お兄さんのマンションに行った時のことです。
お兄さんの部屋は以前行ったときとはまるで違っていて、明らかに女性の部屋になっていました。
そしてものすごくたくさんの金魚鉢のようなものがきれいに並べてありました。
その中には数えきれないほど折り紙でつくった小さい星がぎっしり詰まっていました。
そしてその正体は....
「お兄さんの奥さん」がお兄さんへの思いを表した手作りのプレゼントだったのです。
韓国では彼女が彼氏へのプレゼントとしてそのような手作りのプレゼントを渡したりします。
それが日本でいう手編みのマフラーに留まらず、時間と努力の結晶を彼氏に渡し、
「これが私の思いだよ」という表現の仕方をするのです。
この思いの重さですが、例えば相手がそのプレゼントを渡した人のことを何とも思っていない場合、考えられないほどおぞましいプレゼントになってしまう恐れがあると私は思います。
ふくよかな「お兄さんの奥さん」が身をかがめて、ものすごく小さい折り紙をお兄さんを思いながら作り続けている姿が私の頭によぎりました。
<大量の★の数=彼女の思い>
このような「お兄さんの奥さん」は常に愛嬌の塊のような態度と言葉を放ちました。
その姿は私には確実にない一面でした。
決定的な事は彼女の存在により私の男気がさらにクローズアップされる羽目になったのです。
そして私はオッパ(今の主人)から耳を疑う言葉を聞くようになります!
「君もちょっとはお姉さんのようにはできないか?」
その瞬間、私の怒りは頂点に達するのでした。