6.お兄さんの奥さんの存在2

お兄さんの奥さんの存在は私とオッパ(今の主人)との関係に大きな影響を与えました。
ただ彼女は男性だけに愛嬌を持って接する人ではなく、女性にもそのようにする人でした。
韓国の多くの女性はそのように愛情表現が豊かなのです。
お兄さんの奥さんはその当時、新婚だったのでそれがMaxな状態だったのでしょう。

私はお兄さんの奥さんから学びました。
女性は愛嬌が全てなんだということを!!
大人の女性が時と場所に関係なく、いつも愛嬌たっぷり振りまく彼女の姿は正直、私にはいまいち受け入れ難いものでした。

しかし大事なことは彼女の夫であるお兄さんはいつも嬉しそうだったのです。
それどころか彼女の柔らかい言葉と過度なボディタッチによりお兄さんはいつも全て奥さんの言いなりになっていました。

私は決意しました。

愛嬌たっぷりの可愛い女性になることを!
私の頭の中ではあのオッパの言葉が事ある度に繰り返されました。

「君もちょっとはお姉さんのようにできない?」

実際、当時彼女は外見は男性のようで、中身は女性。私は外見は女性、中身は男性のようでした。

負けへんで!!!!

私は怒りは笑顔に変え、徹底的にか弱い女性に変身しました。
そう、演技したのです。

最初は私の豹変ぶりにオッパはうろたえ、恐れました。しかし時間が経てば経つほどオッパは変わっていきました。

「心配することはない。全てオッパに任せたらいい」

そのようなことを言うようになりました。
これを機に2人に想像もしなかった変化が起こりました。
あの頼りなかったオッパが男性らしくなり、男勝りの私は自分に女性の要素があることに気づきました。

その当時、オッパが私によく言った言葉です。

「君が目の前にいてもずっと、もっと見ていたい」

「君を小さくしてオッパのポケットに入れて持ち歩きたい」

今、おばちゃんになった私は当時の夫は何ともむずがゆい事をあの顔で平気で言えたもんだとしみじみ思いだすのでした。

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