4. 初喧嘩。
オッパと私は韓国人、日本人なので外見はほとんど変わりませんが、その中身は全く異なっていました。お互いの常識はその国を基とした常識であり、お互い「人として...じゃないか」という基準が全く異なっていました。だから一つ一つが喧嘩の原因になってしまうのです。私たちはくたびれるほど喧嘩しました。オッパは自分の生活の全てを私に合わせ、お金ができれば私に使い、そうやっていつも私によくしてくれました。
が、しかし...私の服装、髪型、アクセサリーに至るまで注文をつけてくるのです。最初にオッパはこう切り出しました。
オッパ「スカートがよく似合うね。オッパといるときはいつもスカートをはいたらいいよ。そうそう、髪もそのぐらいの丈がちょうどいいよ。切らないようにね。」
私「…………」私は動揺しました。
ただ必死に笑顔をつくりましたが、私の心の中ではこの言葉が繰り返されました。(きもっ...!!)
韓国ではそれが普通の事なんだという事を...韓国では一般的に彼氏や彼女はお互いのためにとにかく尽くします。
それは相手を自分の家族、いや自分の一部のように思っているからなのです。
だからオッパが私に放った言葉は韓国ではおかしいことではないのです。それが証拠に韓国では婚約者でもないのに彼氏が彼女の部屋の家賃を払ってあげ、彼女の語学学習のための塾代まで出しあげる。払う彼氏も、払ってもらう彼女もそれを当たり前のように捉えている。このようなケースがよくあります。
私たちは大きく喧嘩して以降次に会う時、一度こういうことがありました。
私がオッパの家に行く途中、遠目にオッパが家の前で100本のバラを抱えて私を待っていました。私が韓国の女性なら、喧嘩した原因を忘れるほど感動して、オッパに飛びついていたのでしょう。
ただ私は大阪人。
とてつもなく大きいバラの花束に埋もれたオッパを見て、とにかく腹が立ちました。(喧嘩の原因もわかってないのに、オッパはこの花束でそれをなかったことにしようとする。これからもずっとこういうことを繰り返すんだ。あほか!!)私はもう色々なことが限界でした。
とっさに私はオッパの家とは反対側を向き、自分の寄宿舎に向かっていました。オッパから数えきれないくらいくる電話を一切無視し、私は電車の中でひたすらプリングル〇をほおばるのでした。