20.母とオッパのバトル開始。

オッパにとって私の実家での暮らしは不思議であり、異常であり、別の星の話だったと思います。

オッパが考えるまともな家庭とはお父さんという絶対権利者の下で動いていくものです。

私の家はそれとは真逆。父は母より家の事をこなし、お正月になると母と並んでおせち料理を作ります。母も子もnoならnoと父にはっきり言う家です。私の実家で同居してからオッパはいつも「この家はおかしい…」そうつぶやいていました。ただ私の家も他とはスタイルは違ったとしても親が子を、子が親を思う気持ちは微塵も変わらないのです。それ故、私は親と旦那の板挟みになりつつもオッパの私の親に対する態度に怒りを募らせていくのでした。

ある夕食の時の事…

父 「チュンス君、食べたら皿ちょうだい」父は早く食べ終わり、そのまま台所に行って洗い物をし始めました。

オッパ「 はっ、はい?あっ、え-っと…」オッパは何が起こったのか訳が分からない様子でした。

父 「はよ片付けてゆっくりしたらええから。はよ貸し」そうして父は手早く洗い物を続けます。

そしてオッパはそのまま父にお皿を渡し、自分は部屋に行ってパソコンを触ります。問題は…こういった事が日常茶飯事に繰り返されていった事です。

韓国は親を大事にする国。それが韓国人の素敵なところだと思います。義理の父が洗い物をしているのにオッパの立場で自分はゆっくり休めるものなのか…私は考えを募らせました。私ならオッパの家で例え同じ状況に置かれたとしても絶対に彼のようにはできません。

父が掃除をしてる時も洗濯物を干している時もオッパは父を手伝おうとはせず、いつも横でパソコンをしました。私が出した結論はこうです…オッパはうちの親をバカにしてる。そして私はもう我慢が出来ず、オッパに突っかかていくのです。彼はその度こう言いました。

「この家はおかしすぎる…」

今から思うとオッパにとって嫁の実家での生活は日本の生活と私の家のスタイルに慣れる為の修行期間だったのでしょう。そして最も恐ろしい事は…私だけでなく、母が父とオッパのやりとりを直視していたということです。拳を震わせ、怒りの炎をメラメラ燃えあがらせながら…おぉ…こわっ。

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